アイヴィ・サービス探偵日誌

全国の探偵事務所アイヴィ・サービスの探偵たちの日常をお届けします。

探偵とアリッサム

張りつめた時間が続く尾行や張り込みを終え、

静かに気持ちがほぐれていく中で、

急に

季節のうつろいや街並みの変化に気づくことがある。

 

先日、寒風にかじかむ手をこすり合わせながら

なにげに立ち止まったとき、

街路樹のそばの花壇に、

見知らぬ白い花が咲いているのを見つけた。

 

 

初冬といえる気温の、この季節に  花が?

 

 

思わず画像検索すると、

アリッサムという花だと判った。

 

 

頭上のあざやかな紅葉に目を奪われるこの時期には

地味ともいえる白を密集させて、

精一杯に咲く、足元のアリッサム

 

そこに在ることを、誰も気づかないかもしれない。

しかし一度気づけば、

そのけなげで可憐な姿に癒される。

 

気づかれずにひっそりと在り、

誰かの役に立っているかもしれないことを

内心の矜持として咲いて(活きて)いる

 

という意味では

 

探偵もまた、

この花のようであるかもしれない。